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石膏像を描く
今日は、石膏像を使ってペインティング技法を学びました。
始めに石膏像をドローイングし、その後インプリマトューラを施し、油絵の具で描いていくという順で進めていきました。
私は、油絵の具で描いている際に、最初のドローイングで描いた“構造”が間違っていることに、気付きました。
油絵の具の上から
リドローイングする事は可能ですが、下地の鉛筆の跡は既にスプレーで固めているので消せず、どうしても間違った構造が浮き上がってきてしまいます。
また、油絵の具がウェットの状態では
リドローイングも滲みやすく、うまく修正することができませんでした。
最初の構造作りが、いかに大切かを実感しました。
次回はまた鉛筆ドローイングからやり直そうと判断しました。
亀岡
【実演】石膏像のペインティング
肖像画の演習として、石膏を油彩で描きます。
使用色:チタニウムホワイト、アイボリーブラック、ブルーブラック
(※それぞれのグラデーションをパレットに用意)油彩の前に、鉛筆でドローイングする際、気をつけないといけないことは、
正確に計ること、
鉛筆の強い線を残さないということです。
(※石膏像のドローイングは、『
肖像画をはじめるにあたって』を参照ください。)
光と影のグラデーションをつけるときに、基本的なことですが、ノーラインで描くということです。
これは、油絵の具で描く時に下地の影響が出るので、線は残さないようにします。
鉛筆のドローイングと同じで、カタカナラインを基本として描いていきますが、ある程度カタカナラインで描くということができてくると、意識的にひらがなラインを使ってもよい、と師匠はおっしゃいます。
これは、そのドローイングの状況により、アーティストに判断がゆだねられるものです。
ひらがなラインで強く勢いのある線を思い切ってひくことにより、カタカナラインよりはるかに力強くいい線が描けます。
1. 鉛筆デッサン
カタカナラインで形をとり(構図にも気をつける)、陰影をつけます。


2. スプレーでコーティングをします。
すべりを良くするため、2回コーティングをします。
3. スプレーが完全に乾いたら、インプリマトゥーラをします。
ここでのポイントは、ハイライトの部分(のちにチタニウムホワイトを置く部分)は、紙の地の色が見えるくらい完璧に絵の具をふきとります。

4. インプリマトゥーラが終わったら、ハイライトの部分にチタニウムホワイトをのせていきます。

かなり厚めに絵の具を置きます。

そこから全体に広げていきます。
6.
クールターニングの部分にはブルーブラックとチタニウムホワイトを混ぜたグレーをおき、暗い方へ向かってグラデーションを描いていきます。
境界を作らないよう、線になっている箇所はぼかしていきます。
基本的には、明るい色から暗い色へとぼかしていきます。
肖像画のポイント
石膏像を用いて、肖像画について学びます。

肖像画のポイントは
「モデルのキャラクターを見出だすこと」です。
その人物は一体どのような人格を持っているのか。
嘘つきなのか、正直なのか、正直に見えたら、なぜそう見えるのか。
心の中でその人物に話しかけてみる。
何がこのモデルの心を創るのか考える
さらには、
モデルをしっかり見つめて、そのモデルに自身がなったかのように感じる
モデルの魂を見つけるこのような観察が重要であると、マシュー師匠はおっしゃいます。
例えば、マシュー師匠はレクチャーの中で、この石膏像に対するストーリーを作りました。
『本来の人間の構造であれば、右の口端は、右に上がっているはずなのですが、
石膏をよく観察してみると、その部分はさがっています。
そこで、それは、彼女が何かを言おうとしている、と想像します。
裁判所の中で、尋問されているのかもしれません。
彼女はそのような静かな雰囲気や厳格な雰囲気の中にいます。』
彼女の表情ひとつで物語を作っていきます。
同じ人物を描くにしても、見ている位置によっては、まったく違ったストーリーが出来上がっていくのかもしれません。
アーティストがモデルの内面を「見る」ことで、肖像画にもその内面が反映され、そして、絵に魂が吹き込まれるのです。
アカデミーペインティングとは
油彩には、たくさんの技法があります。
ひとつは、“スカンブル”といって、透過性のある色で層を重ね、下の絵を透かして描く技法です。
またひとつに、“ダイレクトペイント”といって、直接絵の具を塗り重ねていくものがあります。
ダイレクトペイントは、濃く重みがあるように見えるのが特徴です。
師匠曰く、
「油彩は、ドローイングの集大成。ドローイングの基礎があってのペインティングです。」油彩でも、構造が最重要ポイントとなります。
どのように構造をくみたてればよいのでしょうか。
答えは、「正確に描く」ことです。
ドローイングの技術なくして、よい構造を作ることはできません。
アカデミーの油彩で、重要視されるものは、「体温」です。
人の身体は、その部分によって、違う温度を持っているはずです。
ルーベンスは、人の体温を表現することに秀でたアーティストでした。
ルーベンスが活躍した当時に比べ、現代でより質の良いキャンバスや絵の具、道具が手に入り、科学も発展し、環境も、断然向上しているはずです。
当時のアーティストには、難しかったと思われることも、現代では、実現可能なことが多々あるはずです。
このような恵まれた環境で、いい作品がかけないわけがない、と師匠はおっしゃいます。
ペインティングは、正確さを追求するチャンスです。
目の前には、
ポジティブシェイプや
ネガティブシェイブ、色、光、影、すべてがそろっています。
「間違えるほうが難しい」と師匠の言葉です。
では、傑作を作り上げる成功の秘訣とはなんでしょう。
それは、何度も挑戦して、失敗し、また挑戦、それを繰り返すことです。
自分のモノにするまであきらめずに挑戦し続けることです。
そうすることで、「失敗」は失敗ではなくなり、「学び」になります。
かつての巨匠たちも、私たちの目に触れないところで、数多くの駄作を作っていたことでしょう。
画評
4時間ペインティングしたあと、師匠が私の作品をみておっしゃいました。
「椅子の長さとバランスが正確ではないです。
もし、自分の作品を見てしっくりこないことがあれば、それに対して何かしなくては。
例えば、こうやって紙を使って、計りなおすとか。。。。
そうすれば、自然に答えが出てきます。」
もう一つの指摘は椅子にかけられた「ベルベット」についてでした。
師匠には、それがベルベットのように感じられなかったようです。
ベルベットの色も問題でした。
紫色のベルベットですが、目の前にあるベルベットは、光が当てられ、椅子にかけられ、周りの環境に影響をうけて、いわゆる「紫色」ではなかったのです。
私の固定概念が、このベルベットを紫色にしてしまったのです。
私は、この色を、次回修正しようと思います。
ウェットオンウェットは、90%の確率で、効果的に活用できる技法だそうです。
ただ、それは、場合によります。
ペインティングは、“ドミノ”のように、触れるのが恐ろしいようなものでもなければ、簡単に崩れてしまうものでもありません。
構造と色が、油彩において、非常に重要だといえます。
モデルがいないときは、背景や、テーブル、椅子、布などに筆を持ちます。
ただし、モデルと関わりのある(モデルがいることで変形する)「椅子」は、描くべきではありません。
想像で、描いてはいけません。
また、一部に集中して描くと、全体を見失ってしまいます。
時々、少し離れたところから、作品全体を眺めることも必要です。
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